ポジティブワン、NXP i.MX9352搭載SoM「SSOM-i.MX9352-Chinchilla」でTSN対応エッジ側でAI推論を行い、縮約データだけを上位へ送る構成「エッジAIゲートウェイ」実現

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2025年11月27日、東京都渋谷区 - ポジティブワン株式会社は、は、NXP Semiconductors製アプリケーション・プロセッサ「i.MX9352」を搭載した超小型システム・オン・モジュール(SoM)「SSOM-i.MX9352-Chinchilla」を発表します。本モジュールは、TSN(Time-Sensitive Networking)対応エッジAIゲートウェイへの適用を主な用途として設計したSoMです。 ◆ハイライト:背景:TSN対応EthernetとエッジAIゲートウェイ
製造業・プロセス産業では、従来のフィールドバスや非決定性Ethernetから、時間同期や帯域制御を可能にするTSN対応Ethernetへの移行が進んでいます。一方で、センシングデータをすべてクラウドに送信するのではなく、エッジ側での異常検知・品質判定などを行い、縮約データだけを上位へ送る構成が求められています。

このようなTSN対応エッジAIゲートウェイには、次のような要件が一般的です。

・ TSN対応GbE(IEEE 802.1AS等に基づく時刻同期・スケジューリングへの対応)
・ フィールド側のCAN/CAN-FD、RS-485など複数プロトコルとの接続
・ NPU等によるエッジ側での機械学習推論
・ セキュアブート・鍵管理などのハードウェアセキュリティ
・ 24時間連続動作、ファンレス筐体への実装容易性 ◆NXP i.MX9352とTSN対応
i.MX9352を含むi.MX 93ファミリは、デュアルArm Cortex-A55とArm Cortex-M33、Ethos-UクラスのNPU、ハードウェアセキュリティ機能を統合したエッジ向けプロセッサです。NXPの公式資料では、デュアル1Gbps Ethernetコントローラのうち1ポートがTSNハードウェア機能をサポートし、ゲートウェイ用途を想定していることが明記されています。

FRDM-IMX93評価ボードなどの純正EVKに加え、Forlinxをはじめとするパートナー各社が、i.MX9352/i.MX93を用いたSoMやSBCをTSN対応Ethernetを前提としたプラットフォームとして提供しており、TSN評価用としてNXPのGenAVB/TSNスタックを利用できる環境も用意されています。

これらを前提に、ポジティブワンはTSN対応エッジAIゲートウェイのコアモジュールとして「SSOM-i.MX9352-Chinchilla」を位置づけています。

SSOM-i.MX9352-Chinchilla:TSN対応エッジAIゲートウェイを前提にしたSoM設計
本SoMは、TSN対応エッジAIゲートウェイのコアとして次のような構成を想定して設計しています。
・ SoC:NXP i.MX9352
・ デュアルArm Cortex-A55:Linux等アプリケーション処理
・ Arm Cortex-M33:リアルタイム処理・低消費電力監視
・ Ethos-UクラスNPU:エッジAI推論
・ ハードウェアセキュリティ:セキュアブート、鍵格納、暗号アクセラレータ
・ ネットワーク構成(SoM前提)
   1GbE × 2(うち1ポートをTSN対応として利用可能、PHYはキャリアボード側実装)
・ SoM側で完結させている部分
   DDR配線・電源シーケンス・クロックツリー
   セキュアブートを含むブート構成
   NPUを含むSoC周辺の高密度配線エリア

ユーザー側はキャリアボード上で以下に集中できます。
・ TSN対応PHYおよびEthernetアイソレータの実装
・ CAN-FD、RS-485、各種センサI/Oなどフィールド側トランシーバ
・ 絶縁設計、電源、筐体・熱設計 ◆TSN対応エッジAIゲートウェイの代表的な構成例
SSOM-i.MX9352-Chinchillaを用いたTSN対応エッジAIゲートウェイの典型的な構成は次の通りです。
1.フィールドデータ収集
・ 振動・温度・電流・圧力等をCAN-FD、RS-485、汎用I/Oで取得
・ 既存I/Oカードやセンサからの信号を極力変更せずに取り込む前提
2.エッジ処理(SSOM-i.MX9352-Chinchilla上)
・ Cortex-M33:閾値監視やプリフィルタを担当し、常時監視時の消費電力を抑制
・ Cortex-A55+NPU:異常兆候検知時に起動し、周波数解析や推論モデルを実行
・ 推論結果と必要な統計量のみをTSNネットワーク側へ送出
3.TSNネットワーク接続
・ TSN対応ポートを制御系、非TSNポートを情報系/保守用途に割り当て
・ 既存TSNスイッチや上位コントローラとの時刻同期・遅延保証を前提とした接続

このような構成において、SoMを共通プラットフォームとすることで、ゲートウェイの仕様違い(I/O構成・AIモデルの違いなど)をキャリアボードとソフトウェア側で吸収しやすいことを狙っています。

◆大手メーカーエンジニアにとっての設計上のメリット
大手装置メーカーや製造業の開発部門での利用を想定し、次の点を重視しています。
・ 基板層数・SIリスクの低減
高速メモリと電源シーケンスをSoM側に集約し、キャリアボードの多層化やSI検証のリスクを抑制。TSN対応PHY周辺とフィールドI/Oに設計リソースを集中できます。

・ 社内共通ゲートウェイプラットフォームの構築
1つのSoMをベースに、工作機械向け、プロセス向け、監視向けなど用途ごとにキャリアボードとソフトウェアを差し替えるだけで複数製品ラインを構成可能です。

・ 長期供給との整合
産業・IoT市場向けの長期供給を前提としたi.MX 93ファミリを採用することで、装置ライフサイクルと部材供給期間の整合を取りやすくなります。 【ポジティブワン株式会社について】
社名 ポジティブワン株式会社(POSITIVE ONE CORPORATION)
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティ・ウエスト22F

URL http://www.positive-one.com
SoM製品関係:https://www.chinchillasmart.com

ポジティブワン株式会社は、最先端技術と時代を先読みしたエンベデッドソリューションをご提供します。そのために海外の有力な最先端技術会社と提携し、多様化する仕様に対応できるOEMハードウエアや世界標準ISOなどに準拠する品質向上のためのツールをご提供します。さらに、システムコンサルティング、エンベデッドからPC、スマートフォン、サーバーを含んだハードウエアからソフトウエアまでのシステム受託開発など、皆様のプロジェクト成功のためのご支援をいたします。

【本件に関するお問い合わせ先】
ポジティブワン株式会社
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TEL:03-3256-3933 FAX:03-4360-5301