NFCテスト環境導入ガイド

NFCスマートカード

スマートカードの開発製造から保守を行う立場のＮＦＣ技術クレジットカード、パスポートや運転免許などの公的証明、スマートフォーン、オフィスなどでの入退場システムなど、さまざまなところで、スマートカード技術が導入されています。スマートカードには、個人情報や資産が含まれていることから、安全面や信頼性確保が必要です。

また、サービスの多様化により、それにあった技術が進歩しています。それに応じて、標準規格化や認証サービスが確立されています。

最近、スマートカードを取り巻く規格の統合という動きがあります。ＮＦＣフォーラムが注目されています。これは、ISO14443 TypeA，ISO14443 TypeB，FeliCaを中心とした統合規格となっています。

また、クレジットカード会社によるペイメント規格としてのEMVCoにおいても、NFCフォーラム同様、NFCのスマートカード技術を取り入れた規格が発展確立されてきており、今後の市場では、これらのテストや認証を受けたデバイスが市場でのデファクトスタンダードとなると言われています。

ＮＦＣ規格の変貌と問題点

スマートカード技術の規格標準化が進み、すべてのスマートカードやリーダライタが規格通りであれば、互換性が確保されるというわけではございません。

市場には、古い規格のスマートカードやリーダライタが出回っており、新しいスマートカードの規格に対応をしているわけではありません。

また、新しい規格がでてくれば、インフラ面、コスト面、安全性や市場での広がりといった点で、寧ろ、新しい規格であればあるほど、市場への導入は、時間がかかります。したがって、新しい規格に合わせれば、すべて互換性があるというわけではないというのが実情です。

例えば、一度購入したスマートフォーンにＮＦＣ機能がついている場合、交通インフラのなかにはいったＮＦＣ対応のリーダライタが入っていた場合、これらのものをすぐに市場から消えるわけではありません。規格では定義されていないに部分に対して、各機器メーカや各カードメーカがオリジナルロジックを入れたＮＦＣデバイスを開発製造してきました。

これにより、13.56MHzの周波数で動作し、RFIDデバイスと相互作用といえども、原始的に、手さぐりで互換性へのテストを見出す必要性がある場合があります。

ＮＦＣフォーラムやEMVの位置づけ

EMVは、ペイメントサービスの重要な規格のため、間違いなく、世界的なスマートカードのデファクトスタンダードとなっていきます。NFCフォーラムは、MifareやFeliCaなどの既存スマートカードに置き換われるか、もしくは、どのように同調していくのかがポイントです。

Mifare やFeliCaの既存利権が大きいため、インフラやサービスの動向によって、左右されるポジションです。

しかし、今までに、ISOやECMA（NFC IP1,IP2）などの標準規格ではなかったテストポジションとテスト結果の明確化、ECMA（NFC IP1,IP2）で不明確だった部分を明確にしたところにより、互換性テストがより明確になっていくことにより、明確なテスト技法は、サービスを行うほうにも、 サービスのためのＮＦＣデバイスを開発製造するほうにも、メリットがあり、世界的なデファクトになる要素を秘めています。

NFCの保守サービス企業のＮＦＣプロトコルアナライザのお薦め

NFCテストを多く期待されているのは、NFCサービスを開始した保守サービスの部隊ではないでしょうか。

NFCカード、リーダライタの保守サービスにおいて、システムにおいて、テストプログラムを走らせたり、簡易的なオシロスコープで波形をみたり、新しいＮＦＣデバイスに変えてみてテストをしてみるなど、NFCの保守サービスをアプローチには、さまざまな手法があります。

しかし、導入前に、市場に出回っているスマートフォーンや商用リーダーライタとの互換性テストの実施の際、ＮＦＣプロトコルをＳＰＹ（スパイ、ＮＦＣプロトコルのやりとりを信号レベルにて拾う技術）により、互換性を探るという方法は注目されています。また、導入後、システムとして、ＮＦＣインフラが、どのレベルの信号のやり取りをしているのか調査するにも、ＮＦＣプロトコルをＳＰＹすることにより、より多くの情報を得ることができます。例えば、アナログとデジタルレベルの信号を比較できるＰｒｏｘｉＳＰＹや持ち歩きが可能なＮｏｍａｄＬＡＢなどが有効的なソリューションといます。

海外では特に、ＥＭＶのようなペイメント規格においては、開発会社ではなくても、銀行などの機関では、ＥＭＶの規格テストやＳＰＹを社内でできるようなソリューションを準備しております。例えば、バーンズインターナショナル社のCT3000などがそれに当たります。

NFCデバイス開発製造メーカのテスト　–　汎用エミュレーションから汎用テスト冶具NFCテストのなかでもっとも行われることは、アナログパーツとして、PCD(非接触型リーダライタ)とPICC(非接触型カード)間で行われる負荷変調を計測する方法として、オシロスコープを利用します。システム（アプリケーション）レベルでは、テストプログラムをコマンドベースで送ってきたら、結果が返ってきたものに応じて判断するようなプログラムを組んでいくといったことを行っております。

しかし、最近では、NFCフォーラム、EMV、ISO10373-6、ICAOなど、スマートカード技術が発展するに伴い、テスト項目が修正や追加がされ、複雑になってきています。これにより、独自のテストを構築するより、汎用テストツールを外部から入手するように変わってきています。

まずは、ＮＦＣテスト機器として、注目されるのがＮＦＣプロトコルアナライザです。オシロスコープでの計測やテストプログラムにより検証ロジックやプログラムを開発している製造メーカにおいても、ＮＦＣプロトコル情報をとる方法は、感覚的にアナライズすることができ、数的な情報が取れるところにメリットがあります。アナログとデジタルレベルの信号を比較できるＰｒｏｘｉＳＰＹや持ち歩きが可能なＮｏｍａｄＬＡＢなどが有効的なソリューションといます。

最近は、テスト冶具（アンテナ）の種類が増えてきており、コイルやアンテナのサイズなど、細かく規格化されています。例えば、ISO10373-6であれば、PCDアセンブルであれば、レイヤー１であれば低速版、レイヤー２以降であれば高速版が必要です。また、PICCリファレンスも6種類のアンテナ規格が分かれています。例えば、NFCフォーラムであれば、Poller（ポーラ、PCD同様リーダライタ）とListener(リスナー、PICC同様カード) においてもそれぞれ3種類あり、合計6種類のテスト冶具が用意されています。テスト冶具は、作るものから、汎用のテスト冶具を買うものと変わってきています。

同時に、テストを行うために、ＮＦＣエミュレータ環境を独自で開発されている製造メーカ様も、汎用エミュレータツールを準備して、テスト冶具をつなげて、汎用的なものを利用するようになってきております。例えば、ProxiLABなどのツールがそれに当たります。

これにより、汎用ＮＦＣエミュレータ・ベンダは、パソコンと連動できるドライバやＧＵＩを準備しており、ＧＵＩから汎用テストプログラムを書くことが可能です。これにより、製造メーカは、疑似的信号や上位のプログラムを発生させるためのテストスクリプトを自在に書くことにより、簡単にテスト環境を構築が可能です。

NFCデバイス開発製造メーカのテスト – NFCコンプアライアンステスト

具体的なテストシナリオは、スマートカードのテスト規格に準拠したテストを行う必要性があります。

NFCフォーラムやEMV準拠になると、テスト項目が多いだけではなく、テスト冶具の位置情報が定義されるなど、細かい基準が多く存在します。汎用エミュレータは、このテスト項目に対応したテストスクリプトが多く存在しております。

デジタルISO10373-6 PICC、デジタルISO10373-6 PCD、アナログISO10373-6 PICC、アナログISO10373-6 PCD、アナログICAO、デジタルICAO、アプリケーションICAO，アナログNFCフォーラム、デジタルNFCフォーラム、デジタルEMV PICC、デジタルEMV PCD、アナログEMV PICC、アナログEMV PCDなど、存在しております。

これらは、デバッグから認証前のテストとして利用が可能です。また、アナログテストにおいては、アンプやオシロスコープと連動しないといけなく、ドライバやプログラムによって、連動テストが行うことができるなど、ゼロからテスト環境を構築することを考えると時間節約とデバッグテスト短縮へとつなげることが可能です。

また、最近では、ＮＦＣフォーラムやEMV準拠のテストでは、位置情報が定められていることから、ロボットのアームにより、位置情報を明確にしながら、テスト項目を１つずつことができます。これも、汎用テストを使うからこそのメリットです。