特徴と差別化
Chinchillaシリーズのi.MX8M Plus搭載システムオンモジュールの特長
・ 超小型化の基板設計を採用し、ビルドアップではなく、スルーホール設計を実現しました。この基板は8層構造です。
・ 長期供給の安定性を確保するために、汎用性の高い部品を選定しています。
・ 電源計測やPHYなど、本質的でない機能や電力の浪費を排除し、低消費電力かつ高度な部分を改善しました。
差別化と当社の特徴
・ i.MX8M Plusの小型化を実現するために、ビルドアップや信号の削減が必要でしたが、これらを回避し、超小型化を実現しました。
・ i.MX8M Plusの小型化を図るために、汎用部品を使用する方法がありますが、これを採用すると、ある部品の供給停止が製造を妨げる可能性があるため、この問題に対処しています。
・ システムオンモジュールの本質は、CPU、メモリ、ストレージ、PMICの基本設計の安定性であり、その後、アプリケーションに合わせてカスタマイズできるキャリアボード設計(PHYやワイヤレスデバイスの追加など)が望ましいです。不要な機能が含まれている場合、低消費電力かつ必要な機能のみを実現するために、PHYやワイアレスをシステムオンモジュールにいれず、最小限の構成が最適です。
SoM仕様
SSOM-i.MX8MP-CHINCHILLA SoM
SoC構成:NXP i.MX8M Plus
・ Quad Arm Cortex-A53(最大1.6GHz)+ Arm Cortex®-M7(800MHz)
・ NPU(2.3TOPS)搭載で機械学習推論を高速化
メモリ・ストレージ構成:
・ RAM: 2GB(最大6GBまで拡張可能)
・ eMMC: 32GB(最大128GBまで)
・ SDスロット対応
マルチメディア・ビジョン機能:
・ 1080p60対応のH.265/H.264デコード・エンコード、およびVP9/VP8デコード
・ HDR対応ISP(Image Signal Processor)、2系統のカメラ入力
・ GPU: 16 GFLOPS (高精度)、OpenGL ES 3.1/3.0、Vulkan、Open CL 1.2 FP、OpenVG 1.1対応
ネットワーク・インターフェース:
・ デュアルギガビットイーサネット(2系統)搭載
・ 1ポートはTSN(Time Sensitive Networking)対応で産業用途に最適
拡張インターフェース:
・ USB 3.0、PCIe、HDMI、MIPI-DSI、MIPI-CSI、SD、CAN-FD、UART、I²S、I²C、GPIOなど豊富なI/O
信頼性・拡張性:
・ DRAM 内蔵ECC対応
・ 産業オートメーションで求められる高信頼性・長期供給性
・ 専用キャリアボードと組み合わせ、すぐにソフトウェア開発を開始可能。必要に応じてカスタムキャリアボード開発も容易。
対応OS
・ Yocto Linux
・ Android
開発キット(キャリアボード)
ネットワークインターフェース:
・ Ethernet x 2(RJ45コネクタ)
産業用バス:
・ CAN Bus x 2(DB9コネクタ)
USBインターフェース:
・ USB 3.0 Type A x 1
・ USB 3.0 Type-C x 1
・ USB Type-C (電源供給用) x 1
・ Micro USB (USB to Serial用) x 1
ディスプレイ/カメラインターフェース:
・ MIPI-DSI
・ MIPI-CSI
・ LVDS
・ Micro-HDMI 出力
拡張I/O:
・ 40ピンコネクタ (I²S, UART, ISC, GPIOなど)
デバッグ:
・ JTAGポート
スイッチ:
・ スイッチピン
対応OS:
・ Yocto Linux
・ Android
基板サイズ:
・ 約142.24mm x 199.84mm
最大メリット:NXPデザインが参照可能
キャリアボードの概要:
「SSOM-i.MX8MP-CHINCHILLA」向けキャリアボードは、NXPが提供する「8MPLUSLPD4-EV」(i.MX 8M Plus用評価キット)と信号レベルで高い互換性を確保しています。これは、NXP標準EVKの豊富なリファレンス設計、ドキュメンテーション、ソフトウェアBSP、ツールチェーンをそのまま活用できるようにするための設計思想に基づいています。
特徴・メリット:
NXP標準EVKとの互換性:
・ 当社のキャリアボードは、8MPLUSLPD4-EVに準拠した信号マッピングを行い、コネクタ位置・ピン配置を可能な限り踏襲しています。これにより、NXPが提供するBSP、参考コード、ツールなどを活用しつつ、SSOM-i.MX8MP-CHINCHILLAによるシステム評価・開発がスムーズに行えます。
アダプタボードによる対応:
・ 当社はSoMとNXP標準キャリアボード間を接続する専用アダプタボードを提供します。このアダプタボードは、SoM固有のコネクタ形状や信号配列を、NXP標準のキャリアボード規格に合うよう整合させます。結果として、8MPLUSLPD4-EV上で行われるデバッグ、評価、ソフトウェア開発を、そのまま当社SoMで継続可能です。
i.MX8M Plusおよびi.MX935への対応拡張:
・ 当社のアプローチはi.MX8M Plusに限らず、i.MX935など他のNXP SoCを搭載したSoMに対しても同様です。NXP標準キャリアボードとの互換性を維持した上で、当社独自のSoMを搭載可能なようにキャリアボードを改修・最適化することにより、異なるSoC間でも共通の評価・開発環境を実現します。これにより、将来的にプラットフォームを移行する場合でも、開発者は慣れ親しんだワークフローを継続でき、開発効率を向上させます。
拡張性とカスタマイズ性:
・ 必要に応じて、キャリアボード上に独自I/Oや拡張スロットを追加したり、電源回路を最適化したりするカスタマイズにも対応可能です。こうした改修は、NXP標準EVK互換性を維持しつつ行われるため、基本的な開発環境の互換性を損なわずに、ユーザー固有の要件に合わせた最適なハードウェアプラットフォームを提供できます。