特徴と差別化
Chinchillaシリーズのi.MX8M Plus搭載システムオンモジュールの特長
・ 超小型化の基板設計を採用し、ビルドアップではなく、スルーホール設計を実現しました。この基板は8層構造です。
・ 長期供給の安定性を確保するために、汎用性の高い部品を選定しています。
・ 電源計測やPHYなど、本質的でない機能や電力の浪費を排除し、低消費電力かつ高度な部分を改善しました。
差別化と当社の特徴
・ i.MX8M Plusの小型化を実現するために、ビルドアップや信号の削減が必要でしたが、これらを回避し、超小型化を実現しました。
・ i.MX8M Plusの小型化を図るために、汎用部品を使用する方法がありますが、これを採用すると、ある部品の供給停止が製造を妨げる可能性があるため、この問題に対処しています。
・ システムオンモジュールの本質は、CPU、メモリ、ストレージ、PMICの基本設計の安定性であり、その後、アプリケーションに合わせてカスタマイズできるキャリアボード設計(PHYやワイヤレスデバイスの追加など)が望ましいです。不要な機能が含まれている場合、低消費電力かつ必要な機能のみを実現するために、PHYやワイアレスをシステムオンモジュールにいれず、最小限の構成が最適です。
SoM仕様
SSOM-i.MX935-CHINCHILLA SoM仕様
SoC機能:NXP i.MX93ファミリ(i.MX935)
・ CPU:Arm® Cortex®-A55(最大1.7GHz)×4、Cortex®-M33(250MHz)×1
・ NPU:2.3TOPSのNeural Processing Unitにより、高速なAI推論処理をエッジで実現
・ メモリ内蔵ECC対応による高信頼性
メモリ・ストレージ:
・ RAM:2GB(最大6GBまで拡張可能、ECC対応)
・ eMMC:32GB(最大128GBまで拡張可能)
・ SDカードスロット対応
グラフィックス・マルチメディア:
・ 1080p60クラスのビデオデコード(H.265/H.264/VP9/VP8)
・ 1080p60 H.264/VP8エンコード対応
・ OpenGL® ES 3.1、Vulkan®、OpenCL™ 1.2 FP対応GPU
インターフェース:
・ デュアルGiga Ethernet(TSN対応ポート有り)
・ USB 2.0ポート
・ MIPI-DSI、MIPI-CSI
・ SD/SDIO×複数
・ CAN-DF、I²C、I³C、UART、SPI、ADC、GPIO
・ PCIe 2.0
・ Watchdog×3、DMA、Timer/PWM
OSサポート:
・ Yocto Linux、Androidなど
サイズ:
・ 約20mm x 50mm
この小型SoM単体で、高性能なNPU、産業向けTSN対応Ethernet、高い信頼性を実現します。
開発キット(キャリアボード)
キャリアボード仕様
共通仕様(i.MX93 Evaluation Kit(i.MX93EVK)との互換性):
・ SSOM-i.MX935-CHINCHILLAを実装するためのコネクタ
・ 電源入力(USB Type-CまたはDCジャック等)
・ ブートスイッチ、リセットスイッチ、JTAGインターフェースなど
インターフェース拡張:
・ デュアルGigabit Ethernet (RJ45)
・ USB 3.0 Type-A、USB Type-C(給電用・データ用)、Micro USB(USB-Serial)などのポート
・ HDMI出力(Micro-HDMI)
・ MIPI-DSI、MIPI-CSIカメラインターフェースコネクタ
・ LVDSディスプレイ出力(オプション)
・ SDカードスロット、PCIeスロット(M.2)、CANバス(DB9)コネクタ
・ 40ピン拡張ヘッダ (I2S, UART, I2C, GPIO等の汎用I/O)
・ SATAインターフェース(オプション)
・ Audio入出力ピンヘッダ(I2S等)
ソフトウェア/ドライバ対応:
・ NXP提供のBSP(Board Support Package)を流用可能
・ Yocto Linux、Androidへの対応で開発が容易
キャリアボードは基本的なI/Oを取り出し、評価や開発を迅速化します。また、NXP標準の評価環境との互換性を考慮した設計が行われるため、迅速なシステム立ち上げが可能です。
最大メリット:NXPデザインが参照可能
i.MX93 Evaluation Kit(i.MX93EVK)との互換性
アダプタボードによる信号互換:
・ SSOM-i.MX935-CHINCHILLAは、NXP公式のi.MX93EVKキャリアボードとの信号レベルでの互換性を考慮した設計となっております。
メリット:
・ NXP標準のEVK環境、ドキュメンテーション、リファレンスデザイン、BSP、サンプルコードをそのまま利用可能
・ スムーズな評価・開発フェーズの開始
・ 既存のツールチェーンやデバッグ環境とのシームレスな統合
カスタマイズ性:
・ アダプタボード上で信号のマッピングやコネクタ形状を調整することで、NXP標準環境に対する高い互換性を確保しつつ、独自の拡張性や機能追加も可能です。
SoMと専用キャリアボードは、NXP標準の「i.MX 93 Evaluation Kit(i.MX93EVK)」とシグナルレベルで互換性を持ち、既存のNXPリファレンス設計・ドキュメント・BSPをそのまま活用可能です。信号マッピングを維持しつつNXP標準環境に対応し、開発者は短期間で評価を開始し、ソフトウェアやシステム設計をスムーズに行えます。