概 要
Libera Current Meterは、高速サンプリングを備えたマルチチャンネルデータ収集システムで、ピコアンペアメーターとして機能します。4つの入力チャンネルを持ち、低電流測定をnAから2 mAの範囲で行うことができます。このデバイスは、ブレードモニター、ダイヤモンド検出器、ワイヤースキャナー、ファラデーカップなど、さまざまなアプリケーションに適しています。リコンフィギュラブルな処理スキームにより、DC信号と高速電流パルスの両方を測定可能で、USBストレージへの直接データ保存もサポートしています。
メリット
・ 最高のサンプリングレート: 他のデバイスに比べて優れたサンプリング性能を提供
・ ユーザー定義のデータ処理: 特定のアプリケーションに応じた柔軟なデータ処理が可能
・ Power-over-Ethernet: ネットワーク接続が簡単で、電源供給も行える
・ ウェブブラウザGUI: インターフェースが直感的で、使用が容易
・ リコンフィギュラブルな信号処理: 様々な測定条件に対応するための信号処理の再設定が可能
・ コンパクトで堅牢な設計: 限られたスペースでも設置可能で、耐久性があります
・ ローカルアクセスとデータ保存: ネットワーク接続なしでデータを保存でき、即座にアクセス可能
仕 様
◆ハードウェア仕様
・ 入力チャンネル数: 4チャンネル
・ 電流測定範囲: nAから2 mA
・ 測定範囲: 6つの異なる測定範囲を持ち、既知の電流源を使用してキャリブレーション可能
・ バンド幅:
・ DC結合: 40 MHz
・ AC結合: 1 MHzから2 GHz(適用に応じて異なる)
◆データ処理
・ サンプリング周波数: 高速サンプリングで、データをリアルタイムで処理
・ A/D変換器: 18ビット、2.5 MSpsのA/Dコンバータを使用
・ データバッファ: 大型ADCバッファにデータを保存し、最大サイズは8 GB
・ トリガ入力: 1つのLEMOトリガ入力を使用してデータ取得をトリガ
◆インターフェース
フロントパネル:
・ USBストレージ: データ保存用のUSBポート
・ RJ-45ポート: Power-over-Ethernet(PoE)およびネットワーク接続用
・ microSDカードスロット: 追加のデータストレージ。
バックパネル:
・ 信号入力: 入力信号用のコネクタ(A、B、C、Dと記載)
・ トリガ入力: データ取得トリガ用の接続。
◆パフォーマンス
・ 温度ドリフト:
・ 8時間の安定性:
・ 高速データのRMS不確かさ:
・ 低速データのRMS不確かさ:
◆物理的特徴
・ 冷却方式: パッシブ冷却設計
・ 電源供給: Power-over-Ethernet (PoE) 対応
これらの仕様により、Libera Current Meterは高精度なデータ収集と処理を実現し、様々な研究や産業用途において重要な役割を果たします。
ユースケース
1. シンクロトロン施設
用途: シンクロトロンからのビーム信号を測定し、ビーム特性を詳細に分析。
効果: ビームの安定性を向上させ、実験の信頼性を高める。
2. 高エネルギー物理学実験
用途: 粒子衝突実験において、ターンごとのビーム電流を精密に測定。
効果: 正確なデータ提供により、新しい物理現象の発見を促進。
3. 放射線治療装置
用途: 放射線治療におけるビームの強度と位置を精密に制御。
効果: 患者への放射線照射精度を向上させ、治療効果を最大化。
4. ダイヤモンド検出器
用途: ダイヤモンド検出器からの信号を測定し、エネルギーの特性を分析。
効果: 物質の特性評価や新しい材料の研究に貢献。
5. センサー信号のデジタイズ
用途: さまざまなセンサーからの信号をデジタイズし、リアルタイムでデータ分析。
効果: 環境モニタリングや製造プロセスの最適化を実現。
6. 教育および研究機関
用途: 学術研究や技術教育のために、デジタル信号処理の実験環境を提供。
効果: 学生や研究者が新しい技術を学び、実践的なスキルを習得するのに役立つ。
7. 産業用途
用途: 製造ラインやプロセス制御でのビーム電流の測定を行う。
効果: 生産プロセスの監視や品質管理を強化し、効率を向上させる。
これらのユースケースにおいて、Libera Current Meterは高精度なデータ収集と処理を提供し、さまざまな分野での重要な役割を果たしています。
パフォーマンス
1. 測定精度
高解像度: Libera Current Meterは非常に高い測定精度を提供し、特に低電流(pAからmA)の測定に優れています。
2. 温度ドリフト
温度ドリフトの影響: 通常の室温での温度ドリフトは
3. 8時間安定性
安定性: 25 °Cの環境下で、8時間の安定性は
4. RMS不確かさ
高速データのRMS不確かさ: 高速測定時のRMS不確かさは
低速データのRMS不確かさ: 低速測定時のRMS不確かさは
5. 入力信号の処理
トランスインピーダンスアンプ: 入力電流は即座に電圧に変換され、異なるゲイン設定が可能です。これにより、各チャンネルの信号を最適化できます。
6. サンプリング率
サンプリング性能: 高速サンプリングにより、信号の瞬時変化を正確に捉えられます。
7. データ保存とアクセス
データのローカル保存: ネットワーク接続なしでUSBストレージに直接データを保存でき、ローカルでのアクセスが可能です。
これらのパフォーマンス特性により、Libera Current Meterは高精度で信頼性の高い電流測定を実現し、さまざまな研究や産業用途において重要な役割を果たします。
採用事例
Libera LLRFの利用先
Libera LLRFは、以下の研究所や施設で広く使用されています:
APS - アルゴンヌ国立研究所(ANL)、アメリカ
CANDLE - 自然発見の光放出を利用した研究所(YSU)、アルメニア
CNAO - 国立粒子線治療センター(CNAO)、イタリア
EMMA, CLARA - STFCダレズベリー研究所(STFC ASTeC)、イギリス
IPNO - イレーヌ・ジョリオ=キュリー研究所(IJCLab)、フランス
IUAC - インター大学加速器センター(IUAC)、インド
LNF-Daphne, Sabina, Eli - イタリアのフラスカーティ国立研究所(INFN)
PIEAS - パキスタン工科大学および応用科学研究所(PIEAS)、パキスタン
RISP - 基礎科学研究所(IBS)、韓国
SKIF - ブドカー核物理研究所(SKIF)、ロシア
SSRF - 上海シンクロトロン放射施設(SINAP)、中国
TPS - 台湾の国家シンクロトロン放射線研究センター(NSRRC)
これらの施設では、Libera LLRFが高精度なRF安定化機能を提供し、さまざまな科学研究や実験において重要な役割を果たしています。